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自分探し

かつて、「一体自分のやりたい仕事とはなんだろう」と考えたことがあります。そんなことを考え出したのは、30歳になるちょっと前だったと思います。もちろん、その前にも少し考えたことはあったのですが、それほど深く考えることもなく、何となく就職し、何となく働いていました。

それが、そろそろ30歳という頃になって、急に「一体自分にはどんな仕事が向いているのだろう」とか、「自分のやりたいことってなんだろう」って考え出したのです。

でも、そのときは正直いってよく分かりませんでした。かといって、積極的に行動するわけでもなく、気になりながらも、ただ何となく毎日を過ごしていました。

そんなとき、ひょんなことから、経営について学ぼうと思い、中小企業診断士の資格をとろうと勉強しはじめましたのです。結局、それが発端となって、今ではコンサルタントとして独立し、会社まで作ってしまいました。

私のやりたいことは、経営コンサルタントだったのです。

でも、中小企業診断士の資格を取ろうと思い立った時点では、ここまで考えていたわけではありません。資格を取ろうと思ったのは、そのころいた会社で役に立つだろうと思ったからで、決して、コンサルタントを目指そうと思ったわけではないのです。

このあたりの話は、スタンフォード大学のクランボルツ教授の「計画された偶発性理論」にぴったりで、この理論を知ったときには、まさに自分のことだと思いました。(この理論については、また別の機会に書きたいと思います)要するに、別に自分のやりたい仕事を見つけるために中小企業診断士の資格取得を目指したわけではないのですが、それが今となっては、コンサルタントを目指すための計画された行動のように見えるということです。

このような自分の経験から思うことは、自分探しをするためにあちこち動き回るのは意味がないということです。意味がないというのは言い過ぎかもしれませんが、表面的な関わりだけであっちこっち行ってみても、本当に自分のやりたいことに出会うことはないということです。

やはり重要なのは、何か一つのことに深く入り込むこと。何でも良いから、その道を深堀りしていくと、何かが見えてくるということです。石の上にも3年などといいますが、入社してすぐに「これは自分のやりたい仕事ではない」と決めつけてしまうのは早計で、何も分かっていないうちに結論を出しているということになるでしょう。

仕事柄、多くの方と面談することがあるのですが、よくあるのは、「最初はやりたくなかったけど、やってみたら面白かった」といって、今ではその道のスペシャリストになっているというパターンです。

人は、自分が思っている程自分のことを分かっているわけではなく、意外なところに自分のやりたいことがあったりします。それは、自分の内面に眠っているものなので、フラフラと探し回っても見つかるようなものではありません。それを呼び起こすためには、物事に深く関わっていく必要があります。

自分の内面に向かいあう方法はいろいろあります。でも、もっとも手っ取り早いのは、目の前の仕事に打ち込むこと。とりあえず、目の前の仕事を深堀りしていくことが、自分探しの第一歩といえるのではないかと思います。

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