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資格取得のメリット

前にも書きましたが、私は、中小企業診断士の資格を持っています。その後コンサルティング・ファームに転職しましたので、「やっぱり、資格が役に立ったんだねぇ」とよくいわれます。ところが、実は、直接的にはそれほど役に立っていないのです。

というのも、私が転職したコンサルティング・ファームでは、診断士の資格に対する評価が低かったからです。もちろん、入社前にそれなりに勉強していること、意欲がある証拠としては評価してもらえたのでしょうが、資格を持っていることそのものが有利に働いたわけではないのです。

もちろん、この資格を取得していなければ、コンサルタントになろうとは考えなかったと思いますので、そういう意味ではこの資格の影響は大きいことに間違いはありません。

それに、診断士をとるために勉強したことが、コンサルタントにとっての基礎知識として役立っているともいえます。

しかしながら、資格取得のメリットというのは、そのような直接的なところではなく、もっと他のところにあるのではないか、という気がしています。

というのも、診断士の資格取得のために学んだことは、今になって思えば、“超”基本的なことで、それだけではコンサルティングの仕事はできません。自動車免許を取るときに、学科だけ勉強しても運転ができないのと同じことで、この資格を取っただけでは、コンサルティングの実務をこなせるレベルには至っていないのです。

今、私がコンサルタントとして仕事ができているのは、その後、学んだスキルや知識がベースにあるからであって、診断士の資格取得は、そのきっかけを作ってくれただけです。別に、コンサルタントになるためだったら、診断士の資格を取得しなくてもよかったのです。

そんなことを考えたりすると、自分の場合は、資格取得の一番のメリットは、資格の内容とは直接的には関係ないところにあると思えるのです。

それは、「絶対にやり遂げる」という強い気持ちを持てたこと、「頑張ってやっていれば、いつかは報われる」という経験ができたこと、そして、「その気になれば、大抵のことはできる」という自信が持てたことです。

何でこうなったかというと、結局、私も多くの社会人の方と同じで、仕事をしながら、時間をやりくりして資格を取ったということが大きな意味を持っています。

資格を取ろうと思うまでは、誘われれば飲みに行っていましたし、休みの日ものんびりと過ごしていました。通勤電車の中でもボーっとしていましたし、昼休みは昼休みでした(当たり前ですが)。

でも、資格を取ると決めて、学習が進んでくるとそうもいっていられなくなります。「忙しいから勉強できない」などといっていると、ドンドンおいていかれてしまいますし、何のために始めたのか分からなくなります。「高い金払ったんだから何とかしなきゃ」と思うと、さすがの私もだんだん勉強熱心になっていきました。

徐々に飲みに行く日数が減り、休みの日は勉強に費やし、電車の中でも試験勉強し、昼休みは食事をさっさと終わらせ学習タイムにする、というように変わっていったのです。

そして、診断士を目指すまでは、「忙しいからできない」といっていたのが、今では、「その気になれば、時間はいくらでも作れる」というように変わっていったのです。

また、どんなに困難なことにぶち当たっても、何か打ち破る策があるはずだと、簡単にはあきらめなくなりました。あきらめずにやり続けていれば、最後にはうまくいくという経験をできたからです。

結局、一つの成功体験ができたことで、大変な状況を乗り越えられるような精神力が身に付きました。だからこそ、今、コンサルタントとして仕事ができていると思います。

資格取得のメリットは、人それぞれだと思いますが、私にとっては、これが資格取得の最大の収穫です。


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