GMの破綻
GMが連邦破産法11条の適用を申請しました。日本でも、GMとの取引がある企業はたくさんあるようですし、今後、どのように再建するのか注目されます。
ところで。
GMの前に、、、といってもず~っと遡りますが、自動車業界の中心だったのはフォードです。およそ100年前のことです。
当時は、まだ、自動車は一般大衆の乗り物ではありませんでした。当時の工業先進国であるヨーロッパでも自動車も販売されていましたが、一部の特権階級の乗り物でした。当時のアメリカは、現在のような工業国ではありません。もちろん、自動車は一部の富裕層のためのものでした。そんなところに、あの有名なT型フォードが発売されます。
フォードは、T型フォードという単一車種をたくさん作って、一般大衆でも手に入る価格で販売できるようにしました。大幅なコストダウンとともに、熟練労働者でなくても製造できる大量生産システムを構築しました。そのおかげで、工場労働者の賃金も徐々に高くなり、購買力もアップします。
販売価格が安くなり、労働者の賃金も上がれば、自動車も自然に売れていきます。国土も広く、移動手段のないアメリカでは、なおさらそうなるはずです。まだ、自動車の所有者が少ないわけですから、ドンドン売れていきます。
そんなこんなで、T型フォードは、20年ぐらい売り続けられました。昨今のように、2年でマイナーチェンジ、4年でフルモデルチェンジなどということもなく、ひたすら同じ車が売られ続けたのです。
そこに取って代わったのがGMです。
単一車種を販売するフォードに対して、価格やコンセプトの違う車を販売する戦略をとったのです。現在のように、価格が安くコンパクトなモデルから、大型で高価なモデルなど、幅広くラインナップしたわけです。
T型フォードは、初めて車を買う人にとっては魅力的でした。初めての車ですから、とにかく安く買えることが魅力的だったわけです。でも、一通り自動車が普及してくると、ニーズも多様化し、単一車種では売れなくなってきます。
そんな状況にうまく対応した、つまり顧客ニーズをうまく捉えたのがGMだったというわけです。
さて。
なぜ、こんなことを長々と書いたのかといえば、現在のGMは、残念ながら顧客に目が向いていなかったようだからです。かつては、顧客のニーズをうまくつかみ、自動車業界の主役になったわけですが、今は、顧客のニーズをおろそかにして、破綻してしまったのです。
アメリカでもコンパクトで燃費のいい日本車が売れるようになってきているのに、相変わらず利益率の高い大型車を作り続けていました。企業の論理で事業を続けてきた結果、破綻してしまったということです。
もっとも、その傾向は、昨今に始まったわけではありません。もうかなり前から、こんなことはいわれていました。もっと早くに、適切な対応をとっていれば、ここまでにはならなかったはずです。
でも、結局は、値引きや販売店へのインセンティブなど、販売手法で何とかしのいできました。たまたま、好景気に支えられた時期もあったでしょう。長い間、抜本的な見直し、改革をしなかったために、結局、こうなってしまったということです。
抜本的な改革の基本は、顧客のニーズ、顧客の視点から考えることだということです。それができなければ、結局淘汰されていくのです。
フォードがダメになったのもそこでした。
今回のGMも同じです。
他の事業でも同じです。
結局、いつの時代も基本は同じ。
市場の変化を敏感に察知して、迅速に対応する。
何事も、基本が大切だということですね。
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