我が輩の辞書に○○の文字はない
タイトルと関係ないように思われるかも知れませんが、『ガリバー旅行記』という誰でも知っている話があります。
誰でも知っているのは、ガリバーが小人たちの国にたどり着くという、冒険小説的おとぎ話です。しかしながら、実は、『ガリバー旅行記』は、子供向けではなく大人向けの風刺小説で、その他にもいくつかの話があります。
そのうちの一つが、ガリバーが馬の世界に行ってしまう話です。その国では、フウイヌム(馬のこと)が人間のような位置にいて、人間と同じような容姿をしたヤフーは下品で野蛮な動物と思われています。そんな国に、ガリバーが漂着してしまうのです。
しばらくすると、ガリバーとフウイヌムは話ができるようになります。フウイヌムは、ガリバーを見て、下品で野蛮なヤフーと似たような姿ではあるものの、どうも少し違うことに気づきます。そして、いろいろと情報交換をするのです。
そのとき、ガリバーが「嘘」「虚偽」などの説明をしようとすると、フウイヌムは理解できません。フウイヌムは聡明で教養があり、理解力も高いのに、そのことについては理解できないのです。
なぜか。
それは、フウイヌムの世界には、「嘘」や「虚偽」という概念が全くないからです。概念が全くないと同時に、そのような行為もないということです。ですから、ガリバーが自国のイギリスではこんなことがあると説明しても、なかなか理解できないのです。
現実の、人間の世界でも同じことが起こります。
自分の持っていない感性、価値観、感情、感覚などは、いくら説明されても理解できません。このことは、各人が様々な世界で育ってくるので、どうしようもありません。ただ、こういうことが起こっているということは、常に、頭の片隅においておかなければならないと思います。
結局、人は自分の物差しで世界を測っています。
この世の中には、フウイヌムのように、「嘘」「虚偽」が分からないという人はいないでしょう。
たぶん、誰でも1度や2度、いやもっともっと嘘をついたことがあると思います。
ビジネスでも、嘘とまでいかなくても、誇大広告や調子のいいことを並べ立てることはよくあることです。力のある人物にすり寄るために、心にもない美辞麗句を並べることもあるでしょう。
この世の中では、そういうことが得意な人が、人から認められる位置にいることもしばしばあります。
でも、そんな人ばかりではありません。
きっと、フウイヌムのような心を持った人、少なくとも持とうとしている人はたくさんいるでしょう。
でも、ヤフーには、それが見えない。。。
見えないどころか、見えていないことに気づかない。。。
自分はヤフーではなく、フウイヌムだと思っている。。。
ちなみに、小説の中のガリバーは、人間の世界に帰ってきた後、人間と過ごすよりも、馬と過ごす方が心地よくなってしまったそうです。人間が、とても卑しい存在に思えたようです。
自分はヤフーの仲間だけど、フウイヌムになりたいということでしょうか。。。
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