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社員教育は、社員と目線を合わせることが重要

先日、ある人と飲んでいるときに、どういう訳か、私が大学生の頃塾講師をやっていたという話になりました。

何度か書いたと思いますが、そのときの経験が今の自分の仕事につながっています。

塾の講師の仕事は何かといえば、塾の教室で生徒たちに教えることです。そしてどのように評価されるかというと、教え方のうまさでもなく、教育に対する情熱でもなく、子どもたちを思う気持ちでもなく、すべては生徒たちのテストの結果です。

こちらがいくら一生懸命教えても、テストの結果が悪ければ、講師の評価にはなりません。

いくらいいことを教えてあげても、それがテストの結果に反映されなければ、何も認められません。

もちろん、周りの講師や塾の管理者、長は、いろいろ見ています。取り組み姿勢とか、授業のやり方とか、そのプロセスも見て、評価してくれます。しかしながら、塾がお客様から評価される基準は、結局はテストの結果や学校の成績がどうなるか、志望校に入学できるかという点なので、講師もそこで評価されるのが当然だということは変わりません。

面倒臭いのは、子どもというのは気まぐれで、興味があることは一生懸命やるものの、そうじゃないことは全然やらないという傾向があることです。

私が教えていたのは、主に数学だったのですが、数学という科目は、好き嫌いが極端に表れます。苦手意識がある子は、やっても無駄と半ばあきらめています。でも、そのままだと、私も講師として困ります。何とかしなきゃいけません。

苦手だから勉強したくないという子どももたくさんいます。宿題は一応やってくるものの、それ以上の努力はしないなんていうのは当たり前のこと。それじゃ、テストでいい点が取れるわけがない。

それを、勉強しない生徒が悪いとはいえないのが、塾講師のつらいところ。

「私は、きちんと教えるべきことは教えたし、課題もきちんとやらせているし、やるべきことはやっているんだから、それで点数が取れないのは、生徒が悪いんです」

こういえたら、すごく楽なんですが、そういってはいけないのが塾講師。

それでも何とかするのが塾講師。

では、私は結局何をやっていたのかというと、一言でいえば、一人ひとりの子どもたちを見て、やる気になるように叱咤激励をしていました。

苦手意識の強い子どもに対しては、できていることを褒めて、もっとできると励ましました。

できがよくて、やや自信過剰になっている子どもには、ケアレス・ミスをしたらここぞとばかりにダメだしをして、謙虚に努力を続けるようにし向けました。

本当はできるのに、自信を持てない子は、「すごいじゃん」とちょっと大げさに褒めて、励まして、勇気づけて、自信を持ってもらうようにしました。

できもしないし、やる気もない子には、「こうすれば平均点ぐらい取れる」とやり方を教えて、興味を持つようにし向けました。

それが功を奏したのかどうかは分かりませんが、それなりの成果を上げることはできました。

今になって思うのは、当時は特に意識していませんでしたが、生徒の目線になって、一人ひとり、その個性に合わせて対応していたんだなあということ。

講師目線で考えるのではなく、一人ひとりの生徒の立場になって、その子がもっといい点を取れるように、やる気になるように、がんばろうと思えるように、そのために何をしたらいいかを考える。

「講師がきちんと教えれば、生徒はそれに応えてくれるだろう」という発想ではなく、「この子はこういう状況で、こういう気持ちだから、こうやってあげるのがいいだろう」という生徒を起点にした発想。

これは、社員教育も同じです。

その社員がどう感じて、どう受け止めて、その後どう変わっていくか。

それを左右するのは、発信する側がどの位置にいるのかが大きなポイントです。

自分が管理・監督者だからといって、上から発信しても伝わらないことが多いでしょう。

教育は、指示・命令とは違います。

子どもに対して何かを言って聞かせるとき、大人はしゃがんで子どもと目線を合わせます。さらには、子ども言葉で話をします。

社員教育も、ときにはそれと同じことが必要だということです。

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